特定非営利活動法人三田経済研究所設立の趣旨


 日本経済には、今失われた10年といわれる平成不況をようやく脱しようとしている気配が感じられている。これは、日本とって、新しい一歩を踏み出そうというよう生易しいものではない。
 東西冷戦の終焉という仮想敵国の消滅により、米英の影響力行使が本格的に経済活動に向けられているのである。米英は、日本を中心にアジアの新興国へ戦略的経済戦争を仕掛け、ものの見事に勝利したのである。米英中心の経済基準がグローバルスタンダードとして見事に世界の経済基準に仕立て上げられたのである。日本経済が世界経済の一角として生き残っていくためには、好むと好まざるとにかかわらずこのグローバル基準を受け入れざるを得なかったのである。日本政府は知ってか知らずか、日本経済が確実に影響を受けるグローバルスタンダードを言われるがままに受け入れていったのである。金融における会計基準の変更や日本版ビックバンに代表されるような金融制度改革などは、日本経済に瀕死の重傷を負わせ、輸血なしの手術を続けているようなものである。
 米英は、今後ますます戦略的経済戦争を揺ぎ無い勝利へと導いていこうと進めていくはずである。日本を含めアジア諸国は、まずは、戦略的経済戦争に敗北した事実を厳に受けとめるべきなのである。その上で、日本を含めアジア諸国は、戦略をもってこの経済戦争に戦っていくべきである。第二次経済戦争はすでに始まっているのである。
 日本は、今後、国家戦略の中で確たる経済戦略を見据えて進めていかなければいけない。特に、日本は、経済活力がますます伸張することが予想される中国といかなる関係を構築するかが非常に重要になっている。地理的・歴史的に微妙な関係にある中国と良好な関係を構築していくことが日本にとって利益が大きいことは明白であるが、一方において米国ともこれまで通り良好な関係を維持していくことも重要である。このような複雑な国際情勢の中で日本が第二次経済戦争に勝ち抜いていくための経済分析・調査及び政府・国民への啓蒙を行うことを目的に特定非営利活動法人三田経済研究所を設立するものである。